2009年5月26日火曜日

アメリカの恐怖

大井玄さんの『「痴呆老人」は何を見ているか』で、恐ろしいと思ったのは、アメリカの姥捨て山事情だ。数年前の研究が明らかにしたのは、重度痴呆老人で、1%だけが6ヶ月以内に死亡すると予測された層が、ナーシングホームに入所してから71%が6ヶ月以内に死亡したという研究結果だ。これは、いかに痴呆老人介護の質が劣悪かを示す。日本で、同様の調査はないようだが、介護老人施設の平均在所日数は1600日というので、介護の質が全く違うのではないかと推測される。

この前段では、アメリカと日本での「痴呆」に関する認識の違いを明らかにしている。つまり、アメリカでは、「自立が失われるがゆえに痴呆を恐れる」のに対して、日本では、「周りに迷惑をかけるゆえに痴呆を恐れる」傾向があるのだ。卵か鶏かという問題があるが、アメリカでは自立と家族による擁護が失われるということは、死を意味する。

日本の医療問題も問題山積だろうが、アメリカの医療事情は先進国最悪かもしれない。GMの車1台に2000ドル以上の医療保険経費がかかっているとか、聞くとそれは事実だろうと思う。ボストン在住の悪友は、酒場で殴られて病院で一泊したら100万円請求されたと言っていた。で、マイケル・ムーアの「シッコ」になるのか。

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