2010年4月15日木曜日

無料乳がん検査と間寛平の前立腺がん

なんか、医療ジャーナリストのようだが、気になるニュースを2つ。

中部地方の薬局が乳がん検査を無料で募集するというニュースがあった。この薬局のメリットは何か?これは想像だが、地元医師会にいい顔をして、病院や医院にその薬局に患者を誘導してもらうためではないか?デメリットは何か?これは、明らかに50歳以下の女性で、この検査に応募した人じゃないか?症状がないのに、乳がん健診を受けるメリットは本人にはなく、偽陽性による、必要でない治療・手術というデメリット=被害しかない。もしかすると、50歳以上の女性には少しの統計的メリットがあるかもしれないが、これは断言できない。また、自分で乳房に触って触診することも死亡率に影響しないことがわかっている。乳がんを意識してモニタリングすることには、デメリットしかないようだ。

世界をマラソンしている?タレントの間寛平が前立腺がんで治療するため、マラソンを休むというニュースがあった。これは、健診で見つかったのがどうかが定かではないが、世界マラソン中という事情から人間ドックなどで見つかった可能性が高いように思う。そうであれば、おそらく無意味な治療をしている。年配で死亡した男性を解剖すると3人に1人の確率で前立腺がんが見つかる。これは、無意味な可能性がある。前立腺がんでの死亡は、1位の肺がんの数分の1だ。

コスト(無駄な治療や手術)を考えると、がん検診は割に合わないように思う。

2010年4月11日日曜日

HIV検査が陽性になったら

前掲の「リスク・リテラシーが身に付く統計的思考法」は、HIV検査における偽陽性問題も取り扱っている。

さて、日本においてHIV検査で陽性になった場合、ほんとうに感染している可能性はどれぐらいだろうか?

多くの疾病判定検査では、偽陽性は許されるが、偽陰性は許されないことになっている。つまり、感染していないのに感染している(陽性)と判定されること(偽陽性)は、許されても感染しているのに感染していない(陰性)と判定されること(偽陰性)は許されない。これは、合理的に理解できるだろう。偽陽性があるので、陽性であった場合は慎重な追加テストが必要となる。HIV検査においても、コストと時間をかければ「絶対」の判定を行うことができる。しかし、通常の2種混合の検査においては、偽陽性が発生してしまうことは避け得ない。だいたい、0.3パーセントぐらいの偽陽性の発生が見込まれている。

昨年末の時点で、日本国内では、まだエイズを発症していないHIV感染者が11,560人、エイズ患者が5,319人の合計、16,879人となっている。また、凝固因子(血友病)製剤による感染者が、1,439人となっている。ここから、日本国内の実感染者数を推定するのはどうすればよいだろう。

ひとつの指標は、献血におけるHIV感染率だ。厚生労働省のエイズ動向委員会の最新報告によると、昨年の数字で約5百万件辺りの抗体陽性数は、約100件で、パーセントにして0.002、10万件当たり2件程度だ。献血における陽性数の考え方は、難しい。献血では、HIV感染が陽性になっても本人に知らされることはない。それなのに、「検査」目的で献血する層がいるらしい。しかし、献血の母数にリスク・グループが多く含まれていると考えても、0.002パーセントという数字は大きな数字ではない。そこから考えても、実感染数が報告数の数倍以上というようなことはないのではないか?たとえば、約2倍と推定すると、3万人の感染者がいることになる。人口比で言うと、0.02パーセント強となる。

保健所等での検査は、年間十数万件で推移している。10万件にしてみると、リスク・グループのバイアスを考えないとすると、感染者は20人強だ。0.3パーセントの偽陽性によって、検査の結果では300人の感染してないのに陽性になる件数が出る。感染者の20人は確実に陽性になるので、320人の陽性が出て、うち20人だけが真の陽性である。すると、この検査で陽性となった場合に、真の要請である確率は、なんと6.25パーセントとなる。

自分で採血して検査するような簡易検査や即日判明する簡易検査では、1パーセント程度の偽陽性があると言われている。そうなると、10万件辺りでは、1000件の偽陽性が発生する。すると、このような簡易検査で陽性になった場合に真の陽性である確率は、さらに低く、約2パーセントに過ぎない。

保健所での検査でも、陽性となった人の16人のうち15人は非感染者で、簡易検査による陽性となった人の25人のうち24人は非感染者なのだ。

前掲書でも、偽陽性による悲劇が取り上げられているが、日本でもこの偽陽性によって、自殺を含む、人生の悲劇に直面した例が多いのではなかろうか?これは、「啓蒙」を強く必要とする案件だと思う。

2010年4月10日土曜日

がんと闘うな!

日本の歌手グループで、がん(悪性リンパ腫?)の発病を告白し、「がんと戦って帰ってくる」と言ってコンサートをやったらしい。

がんには、いくつもの種類があるらしい。大きく分けると、身体中に早く広がる浸潤性(英語だとinvasive、まさに「侵略的な」)のもの、大きくなったり、広がるのが遅いか、そうならないもの、の2種類があるらしい。どうも、浸潤性の、悪質なものが早期発見⇒切除・治療で、完治するかどうかはわからないらしい。

しかも、腫瘍を病理的に見て、悪性か良性か、浸潤性かそうでないか、を判断する基準は非常にあいまいである。

健診というのは、自覚症状がないのに病気があるかないかを検査することだ。そのような、がんの検診で、乳がん健診も大腸がん検診も有意にメリットがないことは証明されている。乳がん健診の場合、50歳以上だといくらかの効果があるらしいのだが、それも微々たる差にしか思えない。

ここで、メリットというのは、その健診を行うことで対象としている疾病による死亡をどれだけ減らせるかという統計値だ。大規模な追跡調査によって、便の潜血を検査する健診は大腸がんによる死亡を減らせないことが判明している。多くのがんでも、検診が有意に当該のがんによる死を減らせないことが証明されている。

日本の健康診断で行われている、肺レントゲン、胃レントゲン、便の潜血検査、乳がん検査は、メリットがない。メリットがなく、デメリット=コストがなければいいのだが、デメリットは無視できないほど大きい。

つまり、レントゲン検査による被爆や検査の擬陽性による、無意味な治療が、コストである。たとえば、乳がん検査による擬陽性はかなり高いと見られている。必要がないのに、乳房が切除されたり、放射線理療で被爆する可能性が高いのだ。

この辺りのことを、近藤誠さんの本で読んでいたが、次の本は統計学・確率論から説いていて説得力がある。

2010年4月7日水曜日

2010年春の旅行 - ソウルからジャワ島へ

今年は、春に旅行に行くことにした。インドネシアの遺跡を見ることを主目的に、久しぶりのソウルにもよることにした。
ソウルは、娘のリクエストに応えてロッテ・ワールドに行ったが、一泊、伝統的なオンドルの宿に泊まってみた。




夜は、簡易版の韓定食だったが、これはちょっと寂しいメニューだった。ロッテ・ワールド近くの繁華街で食べたデジカルビ(豚のカルビ炭焼き)が頗るうまく、韓国庶民料理のレベルの高さを知った。




次にジャカルタを経由して、ジャワ島の真ん中に位置する都市ジョクジャカルタに、ボロブドゥール遺跡を見るために行った。しかし、同時にアジア一とも言われるリゾートホテル、アマンジオに泊まることも目的のひとつだった。









そして、ボロブドゥール。仏教東伝の成果のひとつを見て感慨深かった。









そして、ジョグジャカルタ空港近くの、ヒンドゥー、仏教混合遺跡のブランバナン。ここも遺跡単体を考えれば、ボロブドゥールに劣らない規模の世界遺産だった。