人は、インセンティブで動く。インセンティブなしでは、動かない。そして、インセンティブは合理的根拠ではない。(経済的に)非合理な根拠も、インセンティブになりうる。後者が、行動経済学の論点だけど、とりあえず、インセンティブを直接的に取り上げる本書も面白い。
実は、こんな重要なことが20年ぐらい前までわからなかった。恥ずかしい話しだが、人がインセンティブに動かされていることを直視していなかった。
今では、はっきりと断言できる。人はインセンティブによってでしか動かない。
とはいえ、これは結果論的な話しかもしれない。人の行動を見れば、それは何らかのインセンティブがあったのだと解釈することができるから。でも、重要なのは、人の行動の背景にインセンティブという、ニュートラルな因果を設定するところだろう。その因果の合理性を無視して、ともかくインセンティブを前提にするのは、社会科学的に意味があり、政策に直結する可能性がある。
というようなことも考えてみたが、現実的な視点としてインセンティブ論は価値がある。たとえば、会社での若い社員や学校の生徒を考えるときに、社会規範や上司や先生の論理で語ることは無意味だ。若い社員や生徒を動かすには、彼らのインセンティブを探り、与えなければ話しにならない。
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